フランス革命――最初期の陰謀論――イルミナティ・フリーメイソン批判は18世紀末から存在している
1776年に創設されたイルミナティですが、かなり早い段階から、イルミナティと同じく秘密結社のフリーメイソンに対する批判の書は世に出回っています。
あれこれ調べている内に、どこでその資料を見たのか忘れてしまうため、この記事にメモ書き程度にまとめたいと思います。発見した度に更新していこうと考えています。
三部会のメンバーだったジャン・ジョゼフ・ムーニエによるフランス革命批判と、啓蒙主義・秘密結社への批判は最近まで知りませんでした。
- ジャン・ジョゼフ・ムーニエ
- ジャック・フランソワ・ルフラン
- オーギュスタン・バリュエル
- ジョン・ロビソン
- エドマンド・バーク
- ガラル・ド・モンジョワ
- クロード・ボーリュー
- ジョン・アドルファス
- ジャック・ルイ・ド・ラトコナイ
- ジョン・ピエール・ルイ(ルシェ侯爵)
ジャン・ジョゼフ・ムーニエ
Jean Joseph Mounier
『政府についての考察』(1789)
『フランス人が自由になることを妨げる原因に関する研究』(1792)
『啓蒙思想家、フリーメイソンおよびイルミナティがフランス革命に与えた影響』(1801)
ジャック・フランソワ・ルフラン
Jacques Francois Lefranc
『フリーメイソンの助けを借りていた――暴かれた革命の秘密』(1791)
『カトリックの宗教と主権者に対する謀略』(1792)
オーギュスタン・バリュエル
Augustin Barruel
『フランス革命中の聖職者の歴史』(1793)
『ジャコバン派の歴史を描いた回想録』(1798)
ジョン・ロビソン
John Robison
『ヨーロッパとすべての宗教と政府に対する陰謀の証拠』(1797)
ジョン・ロビソンは著作の中でオルレアン公およびミラボーをイルミナティであると指摘しています。
著作から、イルミナティリンクとして、ラファイエット、コンドルセ、シエイエス、タレーランなどの名前も記載されています。
エドマンド・バーク
Edmund Burke
『フランス革命の省察』(1790)
イルミナティについての言及が一部に見られます。
バークは全体的にはイギリス国内のユニテリアンを批判しています。
『フランスの国情についての考察』(1791)
イルミナティ・フリーメイソンの言及が一部で見られます。
『ユニテリアン協会の陳情についての演説』(1792)
これもユニテリアンを批判したものです。
『国王弑逆の総裁政府との講和』(1796)
九月虐殺以降の残虐な革命家の描写が見られます。
保守主義の祖とされるバークですが、私個人としてはジャコバン主義批判・秘密結社批判という観点から捉えています。
ガラル・ド・モンジョワ
Galart de Montjoie
『パリのロベスピエールの陰謀の歴史』(1795)
『ルイ・フィリップ・ジョゼフ・オルレアンの陰謀の歴史』(1796)
クロード・ボーリュー
Claude-Francois Beaulieu
『フランス革命の原因と影響に関する歴史的エッセイ』(1803)
ジョン・アドルファス
John Adolphus
『フランス革命の伝記の回顧録』(1799)
ボーリューやアドルファスの作品あたりは、イルミナティ・フリーメイソンについて言及しているのかは個人的には解りませんが、反ジャコバン主義的な作品であるようです。
ジャック・ルイ・ド・ラトコナイ
Jacques de Latocnaye
『フランス革命の原因』(1797)
ロビソンの著作にはトコナイの著作の影響が見られます。フリーメイソンである保守派のシャトーブリアンの亡命仲間としても知られています。
ジョン・ピエール・ルイ(ルシェ侯爵)
Jean-Pierre-Louis de Luche
『イルミナス宗派に関するエッセイ』(1789)
イルミナティに対する批判は私が知る限りこれが一番古い著作です。今後発見するかもしれませんが、ジョン・ロビソンの著作に見られます。現在もフランス語版は売られています。ジョン・ロビソンの著作ではデプレスメニスの著作のように記述されていますが、ルシェ侯爵による著作と見て間違いないと思います。ペンネームかあるいは、名義貸しかは解りませんが、ルシェ侯爵の作品として知られているようです。
巷ではロビソンとバリュエルから始まった陰謀論的な扱いを受けていますが、革命当時の当事者のムーニエすらもイルミナティ・フリーメイソンに対して批判している点についての批判は今のところ、私自身見たことがありません。