【覚えておきたい秘密結社】薔薇十字団

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ここでは薔薇十字団のフリーメイソンイルミナティとの関係性について簡単に論じたいと思います。

 

 

薔薇十字団とクリスチャン・ローゼンクロイツ

17世紀の初頭にドイツで薔薇十字団に関する著作が三冊出版されました。しばしば、この薔薇十字団はフリーメイソンとの関係で言及されています。

1614年にヘッセン=カッセルのカッセルで匿名による『友愛団の名声』という著書が出版されました。1615年にも、同じくカッセルで『友愛団の告白』が、その後1617年には、『クリスチャン・ローゼンクロイツ化学の結婚』がストラスブールで出版されました。

『友愛団の名声』の中には、同志CRという人物のエルサレムへの不運な巡礼が描かれています。同志CRは東国の秘密の賢者から物理学・数学・魔術・カバラなどを学び、ドイツに戻ると他の兄弟たちと共に、秘密結社「薔薇十字の友愛団」立ち上げます。友愛団はその存在を100年間秘密にしなければならないとしました。

『友愛団の告白』ではCRC(同志CR)の生誕年が1378年であることが明らかにされます。

『クリスチャン・ローゼンクロイツ化学の結婚』でクリスチャン・ローゼンクロイツがそれまでの二冊で言及されていたCRであったことが明らかになります。

化学の結婚ユダヤ教の過越し祭の共通点から、ローゼンクロイツユダヤ人だったのではないかとも考えられているようです。

フリーメイソンと薔薇十字団

薔薇十字団と呼ばれる団体は、クリスチャン・ローゼンクロイツが創設した秘密結社ということが、三冊の著作で明らかにされました。この薔薇十字団はしばしばフリーメイソンとの関係で言及されます。

吉村正和の『フリーメイソン』によると、

薔薇十字団は、ルネサンス時代の代表的な神秘主義結社として著名であり、フリーメイソンに神秘性・秘儀性を求めようとする人々の強い支持をえた。記録上、最初のフリーメイソンは、オクスフォード大学にアシュモール博物館を寄贈してその名を残すことになる。17世紀の古代文化史家エリアル・アシュモールである。彼は、1646年10月16日の日記に、自分が「ランカシャーのウォリントンでフリーメイソンに加入した」ことを記している。彼は、錬金術師、占星術師、カバラ主義者、薔薇十字思想家との交流があり、薔薇十字団がフリーメイソンに移行する時期のフリーメイソン接触したと解釈されている。

とあります。

他にも近代フリーメイソンの父とされるロバート・フルッドが占星術カバラ思想、薔薇十字団と関係があるとされています。

ウェールズの聖職者のトーマス・ヴォーンは薔薇十字団の著作の英語の翻訳に携わっています。

ヘッセン=カッセルとロスチャイルド

時代は100年近く下りますが、薔薇十字団の三部作の内三冊が出版されたヘッセン=カッセルのヴィルヘルム1世はロスチャイルド家の祖であるマイアー・ロスチャイルドを御用商人として抱えており、ヘッセン家の財務を彼に任せていました。

ヴィルヘルム1世の弟にあたるカール・ヴァン・ヘッセン=カッセルはフリーメイソンのメンバーであり1776年に創設されたイルミナティの最重要人物だったことが今日知られています。

スコットランドの物理学者ジョン・ロビソンはイルミナティフリーメイソンが薔薇十字団の影響を受けていたことを指摘しています。

この事から、ヘッセン=カッセル家は薔薇十字団の占星術カバラ思想、魔術や錬金術などのオカルトにのめり込んでいたのではないかと思えます。ロスチャイルドも単に御用商人だっただけでなく、このようなオカルトに精通していたのではないかと思われます。

ディープステートとカバラ

世界中で話題になっているディープステートは別名カバールと呼ばれています。カバールとはカバラ思想の信奉者という意味であり、それは一面的にはユダヤ思想を示す部分があります。ただし、このカバラ思想は必ずしもユダヤ人だけが取り入れているわけでもなく、非ユダヤ人の間でも密かに浸透しているようです。