エドマンド・バーク『フランス革命の省察』より「イルミナティについての言及」

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こんにちは。いつもお越しくださる方も、初めての方もご訪問ありがとうございます。

今回はエドマンド・バークフランス革命省察』からの引用とそれについての個人的な考えをお話ししたいと思います。記事中には私個人の偏見や認識の誤りも含まれていると思います。その点のご理解のほど、よろしくお願いいたします。

学問・思想・宗教などについて触れていても、私自身がそれらを正しいと考えているわけではありません。

 

 

序文

ここではエドマンド・バークと秘密結社による陰謀について言及したいと思います。以前にもわずかばかり触れましたが、今回は直接資料からの言及となります。

引用文

およそ革命というものは没収の好機です。そして、次に来る没収が、いずれ不快な何という名前で権威づけられるのか知る由もありません。私は確信しているのですが、フランスを支配している原理は、無害な怠惰こそ我が身の安全と考えているあらゆる国々の極めて多くの個々人、極めて多くの職業階級にまでその手を伸ばしています。所有者たちのこの種の無邪気さは無用さであると論じられるでしょうし、無用さから進んで、彼ら程の財産に対しては一種の不適格性である、と論じられるところまで行くでしょう。ヨーロッパの多くの部分は公然たる無秩序に陥っています。それ以外の多くの所でも空ろな呟きが地下に聞こえます。そして、政治の世界における大地震にもなりそうな、混乱した動きが感じられます。既に、異常極まる性格の盟約と通謀が数ヵ国で形成されつつあります。

 

エドマンド・バークフランス革命省察』p194 みすず書房

バークは革命によってあらゆる職能のあらゆる権益に対して、その所有権の不適格性を指摘して、その財産や権益を没収しようとしている働きを秘密結社による陰謀として見ています。これは1790年の時点での話です。バークはこの文章に対して次のような注釈をつけています。

次の題名の二著作を見よ。『光教団に関する一次資料集』、『光教団の組織と将来』ミュンヘン1787年

 

エドマンド・バークフランス革命省察』p195 みすず書房

原典ではこうなります。

See two books entitled, Einige Originalschriften des Illuminatenordens. -- System und Folgen des Illuminatenordens. Munchen, 1787.

 

Reflections on the Revolution in France

光教団というのは、イルミナティのことで、ドイツ語ではIlluminatenordenといいます。

1787年にはミュンヘンイルミナティの陰謀に対する警笛がすでに鳴らされていました。これはすでにイギリスのバークのもとにも周知されており、その後は、ジョン・ロビソンやオーギュスタン・バリュエルなどもフランス革命の文脈でイルミナティの陰謀について言及することになります。

バークによるイルミナティおよびフリーメイソンについての言及はほかの著作にも見られますが、保守主義の起源とされる『フランス革命省察』でも触れられているということは、保守を自称する人間であるならば、押さえておくべき情報だと思います。

バークの反革命は、体系化された保守思想によって裏打ちされているわけではなく、実際はイルミナティあるいはフリーメイソンといった秘密結社によるフランスを舞台とした陰謀に対して断固として立ち向かったものであり、エドマンド・バークは今日いわれるところの陰謀論という枠組みの中でとらえることができるものだと思います。

感想

1785年にバイエルンのカール・テオドール選帝侯によってイルミナティの会合は禁止されましたが、イルミナティにはアダム・ヴァイスハウプトやアドルフ・クニッゲ以外にも、ブラウンシュヴァイク侯子のフェルディナントや、ヘッセン=カッセルのカールといったドイツ各地に有力者がいました。

フランスのオルレアン公ルイ・フィリップ2世やミラボーなどフランスにも勢力を拡大し、フランス革命に大きな影響を与えたとされています。

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最後に

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