ハリウッドの誕生②ユニバーサル・ピクチャーズ

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今回のテーマも映画とプロパガンダです。今回はユニバーサル・ピクチャーズについて触れていきます。この記事は2020年06月28日(日)に書かれたものの転載です。

 

 

ユニバーサル・ピクチャーズ

ユニバーサル・ピクチャーズは設立が1912年の、現存するアメリカの大手映画会社として二番目に古い歴史をもつ会社とされています。NBCユニバーサルの子会社であり、NBCのほかに、マイクロソフトNBCが共同で設立したMSNBCNBCの衛星・ケーブルテレビのUSAネットワークなど、アメリカ三大ネットワークのNBCのグループ企業です。本社はカリフォルニア州ロサンゼルス、ユニバーサル・シティとなっています。2013年にコムキャストの完全子会社になりました。1990年から1995年にかけて、日本の松下電器保有していました。

日本では、大阪のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの存在も有名です。テーマパークは、アメリカのハリウッドとフロリダ州のオーランドに、そしてシンガポールにもあり、北京にも近い将来にテーマパークがつくられるようです。ちなみに親会社NBCユニバーサルのCEOはユダヤ系のジェフ・シェルです。

創業者カール・レムリ

創業者のカール・レムリ(1867 - 1939)はドイツ出身のユダヤ人です。レムリは1867年にドイツ、ヴュルテンベルク王国で生まれ、84年にアメリカに移住し、89年にアメリカに帰化しました。1894年に衣料会社で簿記を担当していました。1909年に映画配給会社を設立しました。

レムリは1912年に8社を合併して、ユニバーサル・ピクチャーズの前身となるユニバーサル・フィルム・マニュファクチャリング・カンパニーを設立しました。はじめはニュージャージー州フォートリーの映画スタジオで活動し、その後、1915年にカリフォルニア州サンフェルナンド・バレーに235エーカーの土地に移転しました。

レムリはプロデューサーとして数百本の映画を制作しました。『ノートルダムのせむし男』や『オペラ座の怪人』、『笑う男』などの作品を手がけました。1928年には社長の地位を息子のカール・レムリJrに譲りました。レムリJrも『ドラキュラ』、『フランケンシュタイン』、『透明人間』などのホラー映画を手がけました。1936年に会社は運用資金がなくなり、レムリ親子は会社を追放されることになりました。

低迷から再生

その後、ユニバーサルは戦時から50年代まで長い低迷期を迎えます。

1952年にユニバーサルの経営権はデッカ・レコードが握り、大手俳優事務所のミュージック・コーポレーション・オブ・アメリカ(MCA)がユニバーサルに対して大きな影響力を持つようになりました。1962年にはMCAがデッカ・レコードと合併し、MCAが存続会社としてユニバーサル・ピクチャーズの親会社になりました。

1960年代には三大ネットワークの特にNBCの制作がユニバーサル・スタジオが請け負うようになりました。1970年代からジョージ・ルーカススティーブン・スピルバーグなどの映画監督が活躍し、ユニバーサルは一流の映画製作会社として再生することになりました。

1980年代からはハリウッドのほかの大手映画会社との業務提携なども積極的におこなっています。

ユニバーサル・ピクチャーズのヒット作には、ジョージ・ロイ・ヒルの『スティング』(1973)やジョージ・ルーカスの『アメリカン・グラフィティ』(1973)、そしてスティーヴン・スピルバーグの『ジョーズ』(1975)、『E.T.』(1982)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985-)、『ジュラシック・パーク』(1993-)などがあります。

ハリウッドとユダヤ

アメリカのジャーナリスト、ニール・ガブラーは『彼らの帝国-ユダヤ人はどのようにハリウッドを発明したか』(1988)の中で次のように言いました。

「ハリウッドのユダヤ人はイメージとアイデアの強力な集合体を作成しました。ある意味で彼らはアメリカの想像力を植民地化しました。最終的にアメリカの価値観はユダヤ人が作った映画によって特徴づけられるようになりました。」

現在のNBCユニバーサルのCEOに至るまで、ユニバーサル・ピクチャーズのキーマンは概ね、ユダヤ人でした。おそらく今後も取り上げますが、ユニバーサル・ピクチャーズに限らず、パラマウント・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース、MGM、20世紀FOXとハリウッド映画のメインストリームは黎明期以来ユダヤ人で独占されています。

ハリウッドもそうですが、現在のアメリカのテレビメディアもおおむねユダヤ人の価値観が非常に大きな比重を占めています。アメリカ全体の1.7%しかいないユダヤ系の知識人やエリートが20世紀の初めころから映画業界・メディア業界を独占していきます。

これは映画やメディアにとどまらず、金融業界やアメリカの情報機関などにおいても中心的な役割を演じています。非常に強い民族としての結びつきと、秘密主義的な側面はフランス生まれのイギリスの作家ヒレア・べロックの『ユダヤ人』の中でもいかんなく表現されています。

アメリカを中心に欧米のメディアは概ねユダヤ人の意のままにできる状態にあるということを、多くの日本人が知らずにいます。

最後に

最後までお付き合いいただきありがとうございました。ご感想などありましたら、気軽にコメントください。