【保守主義の原点】エドマンド・バーク⑧ レオ・シュトラウスの批判と宗教思想

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今回はエドマンド・バークの英語版Wikipediaの翻訳をします。翻訳のプロではありませんので、誤訳などがあるかもしれませんが、大目に見てください。翻訳はDeepLやGoogle翻訳などを活用しています。

学問・思想・宗教などについて触れていても、私自身がそれらを正しいと考えているわけではありません。

 

 

エドマンド・バーク

Edmund Burke - Wikipedia

批判

バークの最大の批判者であり、最も発展した批評家の一人がアメリカの政治理論家レオ・シュトラウスである。シュトラウスはその著書『自然権と歴史』の中で、バークの著作をやや厳しく評価する指摘を連発している。

彼はまず、バークが幸福と美徳を決定的に分けて考えていることを取り上げ、「バークは、したがって、政府の基礎を『人間の想像上の権利』ではなく『我々の義務への適合』に求める」と説明する。 シュトラウスは、バークは、政府は人間が社会で持つべき義務のみに焦点を当てるべきで、それ以外のニーズや欲求に対応しようとはしないと考えている。政府はバークにとって単なる実用品であり、必ずしも個人が最高の人生を送るための道具として機能することを意味しない。またシュトラウスは、ある意味でバークの理論は、そのような哲学を形成すること自体に反対しているとも言えると主張する。バークは、理論では将来の出来事を適切に予測することができないため、人間は実践やイデオロギーから導かれない直感を持つ必要があるという見解を示している。

これはシュトラウスがバークに関して抱いている包括的な批判につながり、それは論理の使用の拒絶である。バークは、憲法や契約の形成には理性が第一の手段であるべきだという、理論家の間で広く受け入れられている見解を否定している。バークは、憲法は合理的な将来計画とは対照的に、自然なプロセスに基づいて作られるべきであると考えている。しかしシュトラウスは、合理性を批判することは、人間の理性はある程度内在しており、伝統に根ざしている部分があるため、伝統に回帰しようとするバークの本来の姿勢とは逆に働くと指摘している。この正当な社会秩序の形成に関して、シュトラウスは必ずしもバークの意見を支持しない。つまり、秩序は個々の賢者によって確立されるものではなく、過去の機能に関する歴史的知識を基礎とする個人の集大成によってのみ確立されるものである。シュトラウスは、バークがこのような考えから、より多くの新しい共和国の形成に反対するだろうと指摘するが、レンズナーは、アメリカの憲法が特定の状況下では正当化されると考えていたようであることを付言している。一方、フランスの憲法は、伝統的な方法と価値観とは対照的に、啓蒙的な理性に頼りすぎており、あまりにも急進的であった。

宗教思想

バークの宗教的著作は、宗教をテーマとした出版物や解説書からなる。バークの宗教思想の根底には、宗教が市民社会の基盤であるという信念があった。彼は、理神論や無神論を厳しく批判し、キリスト教を社会進歩の手段として強調した。アイルランドカトリックの母とプロテスタントの父の間に生まれたバークは、アメリカ国教会を精力的に擁護したが、カトリックの関心事にも敏感であった。彼は、国家が定めた宗教を守ることと、市民の憲法上の自由を守ることを結びつけ、キリスト教が信者の魂だけでなく、政治的な取り決めにも有益であることを強調したのである。

誤った引用

『善人が何もしないとき』
「悪の勝利に必要な唯一のことは、善人が何もしないことである」という言葉は、その由来が議論されているにもかかわらず、しばしばバークの言葉だとされている。1770年、バークが『現代の不満の原因に関する考察』の中で書いたことが知られている。

悪人が団結するとき、善人は団結しなければならない。さもなければ、彼らは一人ずつ、卑しい闘争の犠牲になるのだ。

1867年、ジョン・スチュアート・ミルはセント・アンドリュース大学の前で行われた就任演説で同様の声明を出している。

悪人はその目的を達成するために、善人が見ていて何もしないこと以上に何も必要としない。

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