映画とユダヤ人

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今回は映画とユダヤ人について神谷茂著『アメリカ・ユダヤ人問題』の一部を現代語調にします。

 

 

映画とユダヤ

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映画事業はわずか20年足らずの間に世界中における主要産業の一つになった。アメリカが世界の映画王国であることは周知のとおりである。今日映画事業は合衆国の五大産業の一つとなっているが、その支配はほとんど全部ユダヤ人の手中にあるといっても過言ではない。

映画業を小さな仲見世や小屋がけの見世物から今日の大産業に仕立て上げたのはユダヤ人に負うところが大きい。特殊な宗教と習俗習慣をもつユダヤ人はアメリカにおいてもまた、社会生活や時には実務生活においても他のアメリカ人から孤立した生活を営み、アメリカ人はこれに対して一種嫌悪に情を持っている。アメリカの大会社や銀行はユダヤ人に対して就職を拒んでいる傾向がある。大工業もまたそうである。従ってユダヤ人は小売商、仕立て屋、劇場、活動小屋などに職を求め生活の糧を得るようになった。ところが、映画のもつ大衆娯楽性とユダヤ人の商人的な宣伝や技能がマッチしてたちまち隆々たる繁栄をみるに至った。

経営者

メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)はマーカス・ロウ、ルイス・メイヤー、カール・レムリの三人のユダヤ人が共営し、その姉妹会社たるロウズ社はマーカス・ロウが初代社長となり、後にニコラス・シェンクがその地位についている。次にコロンビア映画会社は、ジョー・ブラント、ハリー・コーヘンが支配し、フォックス映画の前社長はハンガリー系のウィリアム・フォックスであり、20世紀フォックスの社長はニコラス・シェンクの兄ジョセフ・シェンクである。パラマウント社は同じくハンガリー系のアドルフ・ズーカーが経営している。パブリック・シアター・コーポレーションの社長はユダヤ人サム・カッツ、RKOプロダクションの所長はジェイ・シュニッツァーであり、ユナイテッド・アーティスツ社はロシア系ユダヤ人のジョセフ・シェンクが支配し、ユニヴァーサル映画社はドイツ系のカール・レムリが1936年まで支配していた。ワーナー・ブラザーズポーランド系のアルバート・ワーナーが社長である。ポーランド系のサミュエル・ゴールドウィンユナイテッド・アーティスツ社の支配者の一人である。アメリカ生まれのベンジャミン・シュルバーグはアーティスツ社とプレフォード・ピクチャーズ・コーポレーションの創立者である。これらのユダヤ人はほとんどすべて貧乏な移住民として渡米したものである。現在、これらの映画事業経営者は婚姻によって血族的紐帯をつくり出す傾向が見え、その映画事業独占の組織を生きた血によって強化しつつある。

俳優

映画俳優は前項に記した者の他に、イーディッシュ劇から移行したものにポール・ムニ、エリザベス・バーグナー、ダグラス・フェアバンクスがあり、その他リカルド・コールテツ、エドワード・ロビンソン、ベン・ライオン、ビーブ・ダニエルス、シルヴィア・シドニーチャールズ・チャップリンハロルド・ロイド、メリー・ビックフォード、バスター・キートン、アンナ・ステン、カーメル・メイヤース、ジャッキー・クーガンなど枚挙にいとまがない。

注・・・チャップリンユダヤ人であるという決定的な証拠があるとは思いませんが、当時からしばしばユダヤ人あるいは共産主義チャップリンとの関係は噂が絶ちませんでした。この点については以前にも紹介しましたが、ユダヤ人哲学者のハンナ・アーレントチャップリンユダヤ的な芸術家として賞賛しています。また、チャップリンユナイテッド・アーティスツ社の創業者であり、創業仲間で俳優のダグラス・フェアバンクスユダヤ人。また、ユナイテッド・アーティスツ社はジョセフ・シェンクが社長を務めた時期も長く、多くのユダヤ人が関わっています。

監督

ユダヤ人はまた監督およびシナリオライターとしても有名なものが多い。監督ではノーマ・シェーラーの夫アーヴィング・サルバーグ、エルンスト・ルビッチ、ジャック・ワーナー、ジョセフ・スタインバーグおよび前記のカール・レムリらがある。彼らはいずれもナチス勃興前のドイツの映画界において活躍した人々である。そのほかの監督には、アーサー・ルビン、エドガー・セルウィン、ジョージ・キューカーらがある。

シナリオライター

シナリオライターには「ビッグ・パレード」や「群像」で知られたハリー・ベーンをはじめ、ポール・バーン、イサドル・バーンスタイン、ヘルマン・バーンスタインモートン・ブルーメンストック、アル・ボァスバーグ、アルフレッド・コーン、レオポルド・ジェコブソン、エドワード・カウフマン、エム・レヴィ、サム・ミンツ、ポール・ショフィールド、ミルトン・グロスらがある。

映画業界に占めるユダヤ人の割合

メトロ・ゴールドウィン・メイヤーワーナー・ブラザーズ、コロンビアなどの監督陣の50%以上はユダヤ人である。RKOは19人中2人がユダヤ人、ユナイテッド・アーティスツは19人中4人、フォックスでは18人のうち1人、ユニヴァーサルは13人中2人、パラマウントは15人中5人、ワーナー・ブラザーズでは21人中9人がユダヤ人監督である。この数字は1938年の出版されたシドニー・ソロモンというユダヤ人の『ブリテンユダヤ人』によるものであるが、サロモンはこれを反セム主義者が「ユダヤ人は映画界を支配している」と主張するのに対して、これを反駁するために示しているものである。彼は更にシナリオライターとしてのユダヤ人の非ユダヤ人に対する比はもっと少ない、恐らく10分の1のものだといい、映画出版者180人中ユダヤ人は7人、ハリウッド俳優2685人中わずか84人がユダヤ人であると書いている。また、映画は製作者(現在85人のうち53人がユダヤ人である)や俳優や監督だけでなく、財的背景や映写機や発声器製作所など、負うところが大きいが、トーキーの大会社ウェスタン・エレクトリック会社およびその補助機関たるERPIの2社はJ・P・モルガンやジョン・D・ロックフェラーが投資しているということを挙げて、極力映画がユダヤ人の独占でないことを示そうとしている。

しかしサロモンの主張は一面的である。非ユダヤ人の監督、俳優あるいは投資家の存在はユダヤ人の映画事業独占という事業をいささかも妨げるものではない。独占的なユダヤ人経営者組織は、俳優や監督に対して活殺自在の権力を握っているのである。また上記ウェスタン・エレクトリックと共に世界の3大発声映画機製作会社たるRCA会社およびトビス会社はいずれもユダヤ人の経営にかかるものである。われわれはむしろ、『ユダヤ人、アメリカにくる』の2人の著者の「アメリカ映画はユダヤ人が支配している。彼らはハリウッドとロサンゼルスを作り、50万の男女従業員をもつ映画界を牛耳っている」という結論を正当と認めなければならない。

享楽主義とユダヤ

第一次世界大戦後の経済恐慌やそれに伴う尖鋭的な階級闘争の革命情勢の時代が過ぎると、戦争による感能生活の重圧から解放されて反動的な享楽主義の氾濫時代を現出した。競馬、ボクシング、野球、テニスなどのスポーツが「健全なる身体」の鍛錬というよりはむしろそれを看板にして商業、賭博、投機の対象として熱狂的に流行した。美人投票や衣裳比べが国会議員選挙と同様の関心をもって行われ、肉欲的な猟奇や醜聞が誇りをもってまき散らされ語り伝えられた。麻雀、クロスワードパズル、卑猥な俗歌やジャズ音楽の氾濫、老若を問わず男女間の性的火遊び――一々挙げていたら際限がないが、とにかくそうした自由主義、資本主義の退廃に対して、ラジオ・図書・新聞・雑誌・劇・映画・音楽などは恐慌のどん底に喘いでいた時においてさえ、一時的な動揺を見たのみでその後は驚異的な経済的繁栄を来したので、その享楽主義的傾向は特に著しいものがあった。アメリカは世界の享楽主義の本場になったのである。そういう状態の下にあって、ラジオ・ジャーナリズム・音楽・劇・映画などに早くから力をもっていたユダヤ人が急速にその力を増大していったのは当然である。ユダヤ人の経営的あるいは芸術的才能もさることながら、彼らは商業民族特有の唯物的、肉欲的性格がこの時代の風潮にヒットして今日の支配を築きあげるにいたったのである。従ってユダヤ人のみがこの自由主義爛熟時代の退廃的な肉欲主義、刹那主義、ウルトラ・モダニズムなどの責任者であると主張する自己反省を忘れたヨーロッパ的反セム主義者の説は一面的であるが、それにしてもユダヤ民族独特の性格と彼らの地位とがかかる風潮に対して巨大な拍車をかけたことを否定することはできない。しかもかかる傾向は、それがユダヤ民族主義指導者によって政治的に利用されるにいたった最大の破壊力を発揮するにいたったのである。

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最後に

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