通説フランス革命史②

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今回は、日本での一般的なフランス革命の歴史を辿っていきたいと思います。教科書などを参考にやや階級闘争史観を取り除きました。この一般的なフランス革命観が実は意図的に本当の歴史が隠されたものであるということを認識する必要があります。

一般的な歴史認識の背後に隠れた事実を確認しながら以後のフランス革命論を進めていくつもりでいます。

 

 

ヴァレンヌ逃亡事件

91年宮廷と議会の間の調停を行っていたミラボーが病死すると、革命の急進化に不安をもったルイ16世一家は、6月20日パリを脱出し、王妃マリー・アントワネットの母国オーストリアへの亡命を計りました。しかし、国境近くのヴァレンヌでこの逃亡が発覚し、国王一家はパリに連れ戻されました(ヴァレンヌ逃亡事件)。これが革命家の不信感を買いました。

急進的な共和主義を恐れて議会は、憲法制定による秩序の維持を急ぎました。91年9月、立憲君主制を定めた憲法(1791年憲法)が制定され、王権は縮小され、議会が可決した法案の裁可を一定期間拒否することができる拒否権が残されました。市民は市民権を享受するのみの市民と、一定の資産を有し選挙権が与えられた市民に分けられました。

フイヤン派ジロンド派モンターニュ派

1791年10月、新憲法により選挙で一院制の立法議会が成立しました。立法議会では、右に立憲君主派のフイヤン派、左に共和政を主張するジャコバン派が陣取り、多数の中間派が情勢によって左右されました。

フイヤンクラブを背景とするフイヤン派ラファイエットやバルナ―ヴらが指導していました。ジャコバン修道院に本拠をおくジャコバン派極左勢力と穏和派に分かれていました。

マラー、ダントン、ロベスピエールなどによって指導されたモンターニュ派は、議会の最左翼の上段の議席を占めていたため、ジロンド派とよばれる穏和派はやがてモンターニュ派と対立し、ジャコバン派から離脱しました。

プロイセンオーストリアとの戦争

ヨーロッパ各地の君主はフランスの亡命貴族からの働きかけにより、フランス革命の進展に警戒を強めていました。1791年8月、プロイセン国王とオーストリア皇帝はドレスデン近くのピルニッツで宣言を出し、フランスに対する行動の決意を告げました。

これに対して立法議会では、立憲君主派とジャコバン左派は戦争に慎重な姿勢を見せましたが、ジロンド派(ブリッソー派)は革命を強化するために開戦を主張し、最終的には開戦を望んだルイ16世の組閣に委ねられました。

1792年4月、フランスはオーストラリアに宣戦を布告し、これに対してプロイセンオーストリアと結びました。フランス国内は準備不足もあり、混乱に陥り、フランス軍は劣勢に立たされました。ジロンド派内閣は罷免され、フイヤン派内閣が成立しましたが、プロイセンオーストリア同盟軍は国境を越えて迫ってきました。

7月11日、立法議会は「祖国の危機」を宣言して、全国に義勇軍を募りました。フランス人のナショナリズムが高揚し、地方からパリへと義勇軍終結しました。7月25日に、プロイセン軍司令官、ブラウンシュヴァイク公はコプレンツで宣言を発し、フランス国王に危害を加えればパリを破壊すると警告します。

テュイルリー宮殿への攻撃

この宣言によって、結果的に王政は瓦解しました。ジャコバンクラブなどは国王の廃位を要求し、8月10日、民衆と義勇兵によってテュイルリー宮殿が攻撃され、宮殿を警護していたスイス衛兵が惨殺されました。

議会は王権を停止して、普通選挙による憲法制定議会、国民公会の招集を布告しました。ルイ16世はタンプル塔に幽閉されました。この騒動を8月10日事件といいます。

九月虐殺とヴァルミーの戦い

八月蜂起に際して、ダントン、デムーラン、エーベルらがコミューンを組織しました。9月2日から6日にかけて、コミューンは監獄に収容されていた反革命容疑の囚人を人民裁判で虐殺、政治にまったくかかわりのない人々も含めて千数百万人に上りました。

義勇軍が前線に向かった後に、反革命派が牢獄を破ってコミューンを攻撃するという考えから起こった虐殺とされます。これを九月虐殺といいます。九月虐殺はコミューンが指導したものであり、後にこの行為の正当性についての議論が行われました。

一方、前線では革命軍は9月20日にヴァルミーの戦いで敵の侵入を撃退し、ライン川左岸とネーデルラントを占領しました。革命軍はこの軍事的勝利により逆転に転じました。

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最後に

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