ハリウッドの誕生⑥20世紀スタジオ

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今回のテーマも映画とプロパガンダです。ここでは20世紀スタジオについて触れていきたいと思います。この記事は2020年07月02日(木)に書かれたものの転載です。

 

 

20世紀スタジオ

20世紀スタジオは、旧名の20世紀フォックスで長らく親しまれた会社です。2019年にウォルト・ディズニー・カンパニーが買収を発表し、2020年に社名を現在のものに変更しています。

もともとは、1935年にフォックス・フィルムと20世紀ピクチャーズが合併することによって成立したのが20世紀フォックスの始まりで、長らくアメリカの映画スタジオとしてビッグ6に君臨していました。

また20世紀フォックスは、テレビ・ネットワーク事業にも力を入れており、1986年に設立されたFox放送は、歴史の長い3大ネットワークのABC、CBSNBCに拮抗し、現在は4大ネットワークの一角を築くほどに成長しています。

フォックスの顔となる作品の代表作はやはり1977年からスタートしたジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』シリーズでしょう。9部作からなること作品には世界中が熱狂しました。

また、パラマウントとの共同製作である『タイタニック』はアカデミー賞11部門を受賞しました。

また1950年代に最も人気のあるセックスシンボルの一人として、世界の人々にとって、アメリカ文化の象徴ともなっているマリリン・モンロー20世紀フォックスの花形役者でした。もちろん、ここでは日本で戦前から長らく伝えられてきた3S政策という観点から、これらの現象をとらえることになります。

映画やテレビ、性文化やスポーツは、アメリカの長い歴史にあって、大衆を政治に関心を向けさせないための、言葉は悪いですが、愚民化政策の一環として利用されてきたと、常に一部の人たちに非難されてきた歴史があります。

これらの産業は実際に、アメリカの政府であるのか、あるいは大手企業であるのか、あるいは目に見えない統治機構であるのかはさておき、彼らと大衆との関係性を、首尾一貫した、間断のない構築するために利用されているかのように確かに私の目にも見えます。

20世紀フォックスの前身フォックス・フィルム時代に人気を博した天才子役シャーリー・テンプルもまた、幼児時代からセックスシンボルとして利用されています。アメリカでは労働基準法の中に「シャーリー・テンプル修正条項」というものがあります。

16歳以下の児童を被写体としてポルノを製作・販売することが禁じられています。アメリカでは長らく野放しであった児童ポルノシャーリー・テンプルの活動によって規制の対象となりました。

彼女がハリウッドで経験したことと、彼女の児童ポルノ批判の関連性がどの程度のものだったのかまでは具体的内容までは言及できませんが、いずれにせよ、彼女がハリウッドで経験し、見てきた世界が彼女のその後の行動を決定づけたようには思います。

2010年ころに日本でも児童ポルノに関する議論が巻き起こりましたが、児童ポルノの規制の背景には、ハリウッド業界が児童に対して行ってきた様々な行為が多大に影響しているという背景を考慮にいれなければならないのです。

ただし、彼女は、アメリカの悪名高いシンクタンク外交問題評議会に所属し、更に国際的な非公開会議であるビルダーバーグ会議の出席者でもあり、少なくともそういった業界の関係者であるという点もまた考慮にいれる必要があるでしょう。

それでは、20世紀スタジオの起源について見ていくことにしましょう。

フォックス・フィルム

フォックス・フィルムの創業者ウィリアム・フォックスは、出生名をビルモス・フォックスといい、ハンガリー生まれのユダヤ人で、生後9か月の時に両親と多くの兄弟たちと共にニューヨークに移住しました。

その後、新聞配達員として働き、毛皮や衣服産業などに従事していました。1900年から自身の会社を設立し、そこから起業家としてショービジネス業界で活動します。

1915年にフォックス・フィルムを設立し、1925年にはドイツから35㎜フィルムにサウンドトラックを組み込んだトリ・エルゴン・システムのアメリカでの権利を購入しています。

1927年にMGMのマーカス・ロウが亡くなり、その後を継いだユダヤ系のニコラス・シェンクはフォックスにロウの家族の持ち株を売却しました。しかしそれに対してMGMのルイス・メイヤーとアーヴィング・タルバーグが反トラスト法に反するとしフォックスを訴えました。1929年にフォックスは交通事故による怪我を負い、これに伴い株価も暴落し、フォックスはMGMの敵対的買収に失敗しました。

それどころか、ウィリアム・フォックスはフォックス・フィルムの支配権も失い、1935年には20世紀ピクチャーズに合併し、20世紀フォックスが誕生することになりました。

この時期と前後して、子役のシャーリー・テンプルが子役として一躍大スターに駆け上がっています。

フォックスとユダヤ教との関係ですが、フォックス・フィルムは1917年にハリウッドにソル・ヴルツェルという人物を派遣しましたが、この人物がハリウッドのシナゴーグイスラエル寺院の初代会長を務めています。

このイスラエル寺院は改革派ユダヤ人によるシナゴーグで、多数の映画業界関係者によって創設されました。このシナゴーグには1000家族以上が加入しており、学校も現在3つ所有するほどです。

女優のエリザベス・テイラーがこの寺院でユダヤ教に改宗し、過去にはボブ・ディランもこの寺院で過越祭に参加しています。

20世紀ピクチャーズ

フォックス・フィルムと合併した20世紀ピクチャーズはロシア系ユダヤ人のユナイテッド・アーティスツの前社長ジョゼフ・シェンクと、ワーナー・ブラザーズ出身のダリル・ザナックなどを中心に1933年に設立されます。

ジョゼフ・シェンク(1878 - 1961)は1893年にロシアから家族でニューヨークに移住してきました。弟のニコラスとともにニューヨークの遊園地で売店を運営しました。エンターテインメント事業に可能性を感じた二人はアミューズメントパークを購入し、更にマーカス・ロウとと提携して映画業界に参入します。

西海岸に移住したシェンクは、数年後にユナイテッド・アーティスツの二代目の会長になりました。

一方のダリル・ザナックネブラスカ州のホテル経営者の息子として生まれ、6歳の時にロサンゼルスに移住しています。作家としての仕事を求めながら映画のプロットを製作する仕事を見出し、ワーナー・ブラザースで映画プロデューサーとしての道を切り開きます。1931年には製造部門の責任者にまでなりました。

1933年にザナックはジャック・ワーナーと対立して会社を辞めることになりました。数日後にジョゼフ・シェンクと提携し、ニコラス・シェンクやルイス・メイヤーから資金援助をうけて20世紀ピクチャーズを設立しました。

20世紀ピクチャーズが映画を製作し、ユナイテッド・アーティスツにその映画を配給してもらうという形でスタートしました。1934年に『ロスチャイルド家』を映画化し、1935年には、ヴィクトル・ユーゴ―の小説を映画化した、『レ・ミゼラブル』がアカデミー賞最優秀作品賞にノミネートされています。

1935年にユナイテッド・アーティスツと20世紀ピクチャーズで報酬の支払い条件で対立し、当時低迷していたフォックス・フィルムと電撃的な合併をすることで、その後大企業としての道を歩むことになりました。

ハリウッドの闇

1935年に誕生した20世紀フォックスは、先ほども触れましたが、50年代にマリリン・モンロー主演作品などを手掛けましたが、1962年に作成した『クレオパトラ』が大失敗に終わり、一時は倒産の危機に陥りましたが、次第に軌道修正に成功します。

代表作の『スター・ウォーズ』がヒットし、数々のヒット作を生み出しました。『スター・ウォーズ』シリーズ以外では、1996年の『インデペンデンス・デイ』、1997年の『タイタニック』、2009年の『アバター』、シリーズものでは『ダイ・ハード』、『ホーム・アローン』、『X-MEN』や『アイス・エイジ』などがヒット作に数えらえています。

これまで、ユニバーサル・ピクチャーズワーナー・ブラザース、MGM、パラマウント・ピクチャーズ、そして20世紀フォックスの歴史を見てきましたが、その創設者のほぼ全てがユダヤ人であったというのは、これまでの記事で紹介した通りです。そして、今回取り上げたハリウッドのシナゴーグイスラエル寺院が、多様性と進歩主義を信条とするユダヤ教改革派に属するという点も考慮に入れるべきでしょう。

多くの日本人には、ユダヤ教に見られるような多様性や進歩主義は、必ずしもどういったものか実感がないものと思います。したがって、私たち日本人の感覚とは全くことなる宗教観をもった人たちが、ハリウッド映画を製作してきたということを自覚すべきでしょう。

しばしば、ハリウッド業界では子役たちに対する性搾取が噂されていますし、事実、これまでもかつての子役たちのなかにはこのことを証言する人たちもいます。このような性搾取がハリウッドの伝統の中にあるということと、ユダヤ教改革派の中の中にある価値観や、彼らについての一般のアメリカ人の分析とを、私たちは考慮にいれるべきでしょう。

多くの日本人があまり知らないことですが、欧米ではカトリックの総本山のバチカンから、ユダヤ教に至るまで、アブラハムの宗教の中には、児童に対する性の搾取がしばしば取り沙汰されます。この点については、イギリスの進化生物学者リチャード・ドーキンスが『神は妄想である』の中でもはっきりと、このような事実があることをエヴィデンスを用いて提示しています。

日本人の多くはキリスト教ユダヤ教イスラム教についての単純なイメージをメディアなどを通じて刷り込まれていますが、キリスト教ユダヤ教イスラム教における世界観や価値観、道徳意識は、日本人の宗教観と比較して、きわめて多様であり、同時に多様であるがゆえに、恐ろしいほどの内部矛盾を抱えています。

ハリウッド業界は、子役を含めた児童に対する性の搾取に加えて、以前に取り上げたマリーナ・アブラモビッチの例が示す通り、サタニズムや秘密結社との関係性すら指摘されています。これらの多くが、世間で陰謀論と片づけられる通りに、妄想であるならば、彼らに対する非難は確かに有名税では片づけられない程度の名誉棄損に相当します。

しかし、一方で、ハリウッド業界では彼らにしかその意味が解らないようなシグナルが多数盛り込まれている事実について、なんら説明に足りるような理由も見つかりません。

そして付け加えるならば、現在はインターネットを通じて、サタニズムの儀式などが動画などで公開されているというような状況であり、ハリウッド業界に関する多数の噂がすべて正しいとは言えないにせよ、部分的には正しいか、それに類することが行われていると考えたとしても、おそらく間違っていないものと思われます。

今回はシリーズとしてハリウッド業界がどういった人たちによって成立してきたのかを紹介しましたが、主題は映画でもハリウッドでもなく、政治であり、思想です。今回はこれらの議論を円滑に進めるための資料作成という部分があります。今後も日本の政治や思想に間接的に影響する、様々な具体的な事実を取り上げていきたいと思います。

まずはどのようなことが世界で行われているのかをある程度青写真を描くことが必要です。世界がどのように構成されているのかを知らずに設計されている政策にはすべて欠陥があります。当然、世界には完全無欠の政策などはないでしょう。

ただし、どのような目的で、どのような状況をもとにその政策が作成されているのか、どういった状況を見落としているのかといった、メタな議論も実際にはそろそろ私たちもしなけらばならないころだと思います。

最後に

最後までお付き合いいただきありがとうございました。ご感想などありましたら、気軽にコメントください。